カーブカウンティングとは?

Posted by admin - 11月 30th, 2011

糖尿病食で注目したいカーブカウンティングとは・・・
カーブ(カーボ)とは炭水化物の英語Carbohydrateの略で、
食品成分のカーブだけをカウントする食事プランのことです。
食事を始めて15分もすると血糖値が上がり始めます。
ご飯や砂糖などの炭水化物はほぼ100%ブドウ糖(血糖)に分解されますが、
タンパク質では約50%、脂肪は10%足らずがブドウ糖になる成分を含んでいます。

 

しかも、タンパク質や脂肪からの糖新生はゆっくりと進むので、
食後の血糖上昇はまず炭水化物によると考えていいのです。

 

だったら炭水化物を計算して高血糖にならないように
過不足なく摂取しようとするのは当然のことですね。

 

糖尿病と食事の炭水化物の話になると、
とかく血糖を上げる炭水化物を減らそうということになりがちですが、
それは本来のカーブカウンティングの目的ではありません。

 

圧倒的に多い2型糖尿病者の場合は、
からだが分泌できるインスリンに見合うだけの炭水化物を
摂取するために各食品の炭水化物成分に注意が必要です。
注射するインスリンユニットと食事の炭水化物がグラム単位で
バランスするシビアな1型糖尿病では、
炭水化物をグラム単位で積算することが求められます。

 

カーブカウンティングはこのためのテクニックなのです。

 

これがいかに大切なハイテクかという例を挙げてみましょう。
インスリン注射の不可欠な小児あるいは高齢の糖尿病者がいたとします。
普通、インスリンは食事の直前あるいは30分前(レギュラーインスリン)に
注射して血糖の上昇とインスリンの発効のタイミングを合わせるのですが、
小さな子どもやお年寄りでは何をどの位食べるのか、
食べないのかが確かではありません。

 

そんな時は食べただけの炭水化物を足し算して、
各自に定められた炭水化物/インスリンレシオに従って
「食後」に超速効型のインスリンを注射すれば安全に
血糖の乱高下を防ぐことが出来ます。

 

一般に指導されているカロリー計算は見当ちがいですから、
こんな臨機応変は出来ません。

 

古くて新しい食事療法です。

 

糖尿病の食事療法は古代エジプト文明の頃から炭水化物を制限すべきか、
あるいは多く摂るべきかの両極端の間を振り子のように動いていました。
炭水化物を食べると尿に糖が出るのだから徹底的に制限しようという考え方と、
尿糖が出ているのだから食事で補おうという考え方です。

 

現代は普通の食事と同じ比率でいいという判断です。振り子の位置は中立です。
よく糖尿病食は粗食にしろと言われますが、これは真っ赤なウソです。
糖尿病は知性がモノを言う病気です。
太らないように気配りしながら栄養豊かな充実した食事でなくてはなりません。

 

1921年のインスリン発見以前は血糖を上げないために
炭水化物を出来るだけ摂らない食事が指導されていました。
野菜を3回もゆでて炭水化物を取り除こうとしたものです。
インスリンを使いだしてからも厳格な炭水化物の制限が行われていました。
炭水化物を10g含む食品の表があって、
その内の一つと別の表の魚・肉を組み合わせるような指導が行われました。
これがカーブカウンティングの原点です。

 

でも空腹に耐え切れない患者が血糖を上げないチーズなどを
隠れてたくさん食べてしまうのでかえって不健康な食事療法に
なることがありました。

 

そこでアメリカで各食品群をバランスよく摂取する食品交換表が作られて、
これがスランダードになりました。
日本の食事療法もこのやり方が導入された50年前のままに固定されたものです。
ところがアメリカで1型糖尿病の血糖コントロールを出来るだけ
正常値に近づけると、どの位合併症にならないで済むかという
大規模トライアルDCCTが行われた際、
食品交換表のアバウトな炭水化物のとらえ方では
タイトコントロールが危険な低血糖のトラブルを増やすことが分かりました。

 

その時解決策として4通りの食事計画を導入したのですが、
その中で炭水化物をグラム単位で把握するカーブカウンティングが
一番いい結果を出したのです。

 

DCCTは1993年に結果が発表されて、
糖尿病は出来るだけ正常値に近い血糖コントロールをしようという
時代になったのですが、
同時に食事療法でもカーブカウンティングがより洗練された形で復活しました。

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